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2.5i Spec.B

レガシィを購入して2年半。走行距離は7万キロを超えた。
エンジン・駆動系の調子は良いが、足回りはそろそろリフレッシュしたい。

純正ビルシュタインもいいな~、と思ったが定価は15万円近い。
それではオークションで中古を、とチェックしてみるが程度の良さそうなものは4万以上の価格がついている。

そんな折に中古パーツショップから9,800円の即決で出品があった。
画像を見る限りではそこそこの程度に見える。
この値段なら失敗しても諦められると落札。
近場のショップだったので、後日引き取りに行ってきた。

ビルシュタイン

品物はわずかに錆もあるが程度は良い方だった。
品番からC~D型のGT用と思われる。
なぜかリアサスはバラされていて、このため安価だったのかもしれない。

問題はフロントのスプリング。
MT車のものなら前軸重がほぼ同じなのでいいのだが、AT車や3.0Rのものだと重い前軸重に合わせてあるので、軽い2.5iだと前上がりになってしまう。

スプリングには識別ペイントがしてあるが、これがどの車種用かまでの情報はネットで探しても見つからなかった。
ディーラーに聞いてみるも判らないとの返事。
ダメならスプリングは2.5iの物に組み替えればいいかとそのまま交換することにした。

ついでに…
先日、スタッドレスから履き替えた時にブレーキパッドが減っているように見えたのでこちらも交換。
価格や巷の評判を参考にWINMAXのストリート用パッド、AT1をチョイス。

WINMAX AT1

WINMAXは昔からENDLESSと双璧をなすブレーキパッドのメーカーだ。
赤のWINMAX、青のENDLESSという印象が強い。

そのほか、消耗品のセルフロックナットをディーラーで注文した。

セルフロックナット

休日になったところで作業開始。まずはフロントから。
スタビライザーが効かないように左右同時に上げて作業する。

先にブレーキパッドの方を交換。
外してみて分かったが、純正パッドはまだ半分ほど残っていた。
まぁ戻してもしょうがないのでWINMAXに交換する。
ブレーキフリュードがあふれそうになるので、少し吸い取って捨てる。

パッドを組み終えたらサスペンション交換。
ナックル上側のボルトにはキャンバー調整機構がある。
一応、同じようにする為に外す前に目盛りを記録しておく。
(本当は交換後にアライメント調整を…)

キャンバー調整の目盛り

ネジ止めされているブレーキホースとABSセンサーのコードを外してから、ナックルとアッパーマウントのナットを外せばサスペンションASSYでごそっと外せる。
外すときにはナックルが落ちないように針金で吊っておく。

交換作業中

外した2.5i用とGT用ビルシュタインを並べてみる。
形は一緒。スプリングの線径もそんなに変わらない様に見える。

GT用と2.5i用

組み付けは逆の手順で。
アッパーマウントのナットを仮締めしたらナックルをはめ込んでボルトを通す。
キャンバーの目盛りを合わせてからナットを締めるのだが、本来は1G状態(タイヤを付けてジャッキを下した状態)で調整するもの。
これはリフトが無いと出来ないので次善策をとる。
ハブのところにジャッキをかけていくらか持ち上げる。
これで締め込めば荷重のかかった状態での調整に近くなる。

調整ボルトが動かないようにしながらナックルのナットを本締め。
締め付けトルクは15kg-mなので、レンチをパイプで延長して締め上げる。
ブレーキホースとABSセンサーを取り付けたら片側終了。

もう片側も同じ要領で交換したらタイヤを取り付けてジャッキを下す。
最後にアッパーマウントのナットを本締め。
締め付けトルクが2kg-mなので締めすぎに注意。
またここはセルフロックナットを用いるので再使用不可なのだが、とりあえず様子を見るので元のナットを付けておいた。
 

フロントが終わったのでリアに移る。

リアサスはバラしてあるので組み込みつつ取り付けなくてはならない。
車重を利用して組もうと思ったのだが・・・・

まずはサスの頭が見えるように内装を剥がしていく。
ラゲッジの床板とリアシートバックの間のカーペットをはがす。

                   【クリックで拡大】
リアサス配置

カーペットは発泡スチロールの板に貼られており、クリップ3ヶ所で固定されている。
(上の画像の赤丸。外したクリップをシート下に落とさないように注意)

アッパーマウントのネジは黄色の矢印のところ。
ショックの頭はさらに奥に隠れており、このままではサスを組みながら取り付けは難しく思えた。

リアアッパーマウントのネジ

サイドの内装をはがすのもかなり広範囲に及ぶので大変そうだ。
そんな訳で、順当にスプリングコンプレッサーを買って、リアサスは後日交換することにした。
 

平日の間に通販でスプリングコンプレッサーを注文。
到着したらサスの組み付けだけしておく。

下は組み付け前の状態。

リアサス

アッパーマウントはゴムのスプリングシートと金属のフレームに分解できる。
このゴムが経年劣化で変形してくるのだが、これはまだ使えそうだったのでそのまま利用する。
ショックの頭のナットはセルフロックナットで再使用不可。購入しておいたナットと交換。

スプリングコンプレッサー

購入したスプリングコンプレッサー。中国製の安物だ。
これをスプリングに掛けてぐいぐい縮めていく。
今回はそのまま使用したが、ネジにグリスを塗っておいた方が良さそう。

スプリングを縮める

スプリングを縮めたら上下を間違えないようにショックにセットしアッパーマウントを取り付ける。
ショックのスプリングシートの段差とスプリングの切端を合わせて、さらにアッパーマウントの向きも下部のブッシュと合わせなければならない(確か±5度以内)。
コンプレッサーを緩めるとアッパーマウントの向きが変わるので面倒くさい。

ショックの頭には六角穴が開いており、ここを六角レンチで固定してナットを締め付ける。
締め付けトルクは3kg-m。締めすぎると六角穴がナメてしまいそうなので気を付ける。

無事に組み付けられたが、スプリングの塗装が剥がれてしまった。

塗装が…

安定性が良いと言うことで4本爪のコンプレッサーにしたのだが、スプリングのコイル径が合わないと却って不安定なのが判った。
サビると困るのでタッチアップしておく。
2本終了したときには筋肉痛になっていた。

組み付け終了
 
 
翌週末、交換作業に入る。

リアは片側ずつ作業するので、まずスタビライザーを切り離す。
アッパーマウントのネジを緩めたらジャッキアップしてタイヤを外す。

ショック下部を留めているナットを外すとボルトが抜けるはずだが、テンションが掛かっていて抜けない。
スタビは切り離しているので、アームのブッシュでテンションが掛かっているようだ。
結構強く力が掛かっているので、ショックを下からジャッキアップしていく。

ボルトが抜けない

適当に上げたところでプラスチックハンマーで叩くとボルトが抜けた。
アームとショックがフリーになると双方のボルト穴に結構な段差が出来ている。
取り付ける時にはこの両方の穴にボルトを通さなければならない。

ボルト穴のずれ

取り付けは最初にアッパーマウントを所定の位置に入れたら下からジャッキで支える。
アッパーマウントのナットを仮締めしたら下部のボルトを通す。
今度はショックを持ち上げるのではなく、アームを押し下げる方法をとった。

サスの取り付け

ナックルとバンプラバーの間にジャッキを入れて広げていく。
この方がショックがフリーになるので位置合わせがやりやすい。

ボルトが通ったらジャッキを外してナットを締める。
ここもセルフロックナットで6kg-mで締め付け。レンチでかなり強く締める感じだ。

タイヤを付けてジャッキを降ろしたらアッパーマウントのナットを本締め。
セルフロックナットで3kg-m。なぜかフロントよりもネジサイズが上で締め付けも強い。

反対側も同じ要領で交換したらスタビリンクを取り付けて作業終了。
2週に渡って作業してSpec.B仕様となった(本当はGT仕様だけど)。

問題の車高だが、やはりフロント上がりになってしまった。
フェンダーアーチまでの高さを測ると、、、

 交換前 : フロント 658mm  リア 668mm

 交換後 : フロント 674mm  リア 670mm

リアはほぼ同じだが、フロントが15mm上がってしまった。
スプリングレートから換算すると前軸が約60kg重い車用。

ということはやはりAT車か3.0R用だったようだ。
(MT車用だと前後5mm程度のアップになったとの情報も見つけた)

ローダウンに興味は無いし、遠目にはそんなに変でもないのでこれでいいかな。

交換後

肝心の走りの方だが、これはかなり変わった。
今までは路面の段差やうねりなどでピッチングが気になっていたのだが、これがほぼ解消した。

擬音で表すと、「ぐわん…わん」が「すとっ」になった感じ。
ショックのダンピングがすごく良く効いている。
まだ交換してあまり走っていないけど、コーナーの切り替えしも良くなりそうだ。

アライメントも特に問題ない感じ。
直進性が少し良くなっているので、フロント車高の影響で若干トーイン方向に振れたのかもしれない。

WINMAXのブレーキパッドは純正に近い感じで違和感なく使える。

初期制動は控えめで、タッチは純正よりも硬く、奥でぐっと効く感じ。
踏力でコントロールしやすく好印象だ。
 

今回、比較的安価でリフレッシュ出来た。
これでまたしばらくこの車と付き合えそうだ。
山道に行った時にどんな走りになるのか楽しみ・・・

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連休の道楽 ② 【レンズ追加 ~その18~ 標準レンズ】

 前回のつづき…

EBC FUJINON

昨夏にリサイクルショップのジャンク箱から漁ってきたレンズがあった。
カメラとセットで1000円の値札が付いていた。
カメラはともかくレンズは使えそうなので引き取ってきた。

それがこちら。

FUJICA ST801

FUJICA ST801 + EBC FUJINON 55mm 1:1.8

このST801というカメラ、発売当時(1972年)は他社の上級機に負けない性能を、手に入れやすい価格で実現した隠れた名機と言われているようだ(参照:マップカメラの記事

そのカメラの方はシャッターは切れるものの、モルトはボロボロで故障もある。
なのでレンズの方をおいしく頂くことにした。

EBC FUJINON 55mm 1:1.8

絞り環の数値がカラフルで楽しい。
EBCとは「Electron Beam Coating」の略称で、PENTAXのsmcコーティングを凌ぐ11層ものコーティングがされているそうだ。

レンズ構成は4群6枚の対象型のダブルガウスタイプ。
これは初期のプラナーと同じ構成だ。

買ってきたときにはヘリコイドはスムーズだったものの、絞りは開放のまま動かず。
またレンズにはカビがびっしりと生えていた。

と言う訳でメンテナンス開始。
後群レンズはカニ目レンチで回すとレンズユニットが外れる。
さらにそのユニットのカニ目リングを外すと後玉が外れる。

カビていたのはここのレンズ。
中性洗剤を垂らして指で洗い、アルコールで拭いて仕上げる。

前群レンズを外すには、まずフィルター枠を外す。
ところが銘版をゴムで回しても一向に外れる気配がない。

もしかしてと思ってピントリングを最短位置に回すと芋ネジが現われた。
これはRIKENONと同じタイプだ。

フィルター枠の固定ネジ

円周上に3本で止まっているネジを緩めてフィルター枠を捻じると緩めることが出来た。
あとはカニ目レンチで前群のレンズを外して清掃。

外したレンズを並べてみるとこんな感じ。
左より6枚目(後玉)、4・5枚目(貼合わせ)、2・3枚目(貼合わせ)、1枚目(前玉)。

バラしたレンズ

幸いなことに貼合わせレンズのバルサム切れは無くクリアだった。
ただ後玉のカビは残念ながらコーティングまで浸食していた
いくら洗ってもカビの跡が消えずに残ってしまった。

(下の画像ではどうしようもなく汚く見えるが、裏からLEDライトで照らしているからで、組み込んでしまえば意外とキレイに見える)

黴跡

さて、がらんどうになった鏡筒を見ると絞りユニットが見える。
マウント側には絞りのリンク機構があるのだが、弄っているうちに絞り羽根が出てきた。

油でべっとり濡れている。これじゃ動かないわけだ。
調べてみると、このレンズは同じような症状の出ている個体が多いようだ。

拭いてどうこうなるものじゃないので外して洗うことにする。
絞りユニットは前面からCリングで固定されている。
このCリングをドライバーなどで外すと絞りユニットは前に抜き出せる。
(画像は再清掃時のものなので、絞りの油は除去してある)

絞りユニットを外す

外した絞りユニットは、パーツクリーナーを吹いたりアルコールに浸け置き洗いしたりを繰り返し、ようやくスムーズに動くようになった。
羽根の間に入り込んだ油はなかなかしつこくて、何度も洗い→乾燥を繰り返した。

絞りは動くようになったが、まだそのままでは使えない。

このレンズ、M42マウントなのだが開放測光を実現するためのギミックが施されている。
絞りリングにマウント面より突き出た"ツメ"が付いており、それによってカメラに絞り値を伝達するようになっている。

FUJICAに付けるのならば大きなメリットなのだが、デジタル一眼で使おうと思うとそれが仇となる。
ツメがマウントに干渉して最後までレンズをねじ込めないのだ。
当然無限遠は出なくなり、そのうえ絞り環も固定されて動かなくなってしまう。

オリジナルを崩すのは忍びないのだが、ツメを削ってマウントに干渉しないようにした。

もうひとつ。
M42のレンズは絞りの"AUTO"と"MANUAL"を切り替えられるモノが多い。
ところが、このレンズは先の機構によりオートのみでマニュアルモードが無い。
ピン押しタイプではないマウントアダプターでは、絞り開放でしか撮影できなくなる。

絞りを使うためには、絞り込みピンをどうにかして押したままにすれば良い。
どうやるか色々考えてみたが、結局一番簡単な瞬間接着剤でピンを固定してしまった。

絞り込みピンを固定

これで通常のM42マウントレンズとして使えるようになった。

 
同じ焦点距離、同じ明るさのSuper-Takumar 1:1.8/55mmと比較してみる。

FUJINON vs TAKUMAR

さすがにモノコートのTakmarより反射は少ない。
年代がTakumarより10年位新しいのでその分の進歩が伺える。
でも同時期のSMCと比べたらどうかな。

鏡筒比較

鏡筒はFUJINONの方が一回り大きい。
ローレットや銘鈑もゴムや樹脂にとって代わっている。

     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

それでは実写。

60cmほどの位置の被写体を絞りを変えて撮影し写りの違いを見る。
カメラは三脚で固定。絞りとSSは両者同じに合わせてある。
(クリックで拡大します。画像が大きいので注意)

 【EBC FUJINON 55mm 1:1.8】   【Super-Takumar 1:1.8/55mm】

EBC FUJINON 55mm 1:1.8Super-Takumar 1:1.8/55mm
 

前ボケはFUJINONの方が綺麗な感じがする。
絞り込んでいった時の解像はFUJINONの方が若干上か。
とはいえTakumarが悪いという訳ではない。
比べてみればわずかな違いが有るだけで、一方だけ見たらどちらがどのレンズか判らないと思う。

以前、135mmを比べた時はそこそこ違いが見えたのだが、50mm・55mmの標準レンズはみんな本当に優秀で区別が付きにくい。

 
最後に前回の50mm比較と同じロケーションで撮影したものなど。

FUJINON遠景
K-5 +EBC FUJINON 55mm 1:1.8   F5.6 1/125 ISO100

 

FUJINON 55mm 開放
K-5 + EBC FUJINON 55mm 1:1.8   F1.8 1/500 ISO100

 
M42マウントのレンズ、実はまだ有ったりするんだな・・・・
安いからつい手を出してしまう。
それらはまた別の機会に…

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連休の道楽 ① 【レンズ追加 ~その17~ 標準レンズ】

今年は小雪のためにGWのスキーは日帰りで終わってしまった。

そこで先日落札したカビの生えたレンズの手入れをしよう。
合わせて以前バラしたままだったレンズも組み立てよう。

                   【クリックで拡大】
50mmふたつ

左:SMC PENTAX 50mm 1:1.4

右:smc PENTAX-M 50mm 1:1.4

右はおなじみのMレンズ。
そして左は"Kレンズ"とか"Pレンズ"とか呼ばれているもの。
それまでのスクリューマウント(M42マウント)から、PENTAXとして初めてバヨネットマウント(Kマウント)化されたものだ。
このK50mmは初期型と後期型に分かれ、このうち初期型にはTakumar 55mm 1:1.8と同じトリウムレンズが使われている。
今回入手したのはその初期型で、レンズ構成の同じM50mmとどう写りが違うのか楽しみだ。

     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

初めに以前入手したM50mmの方に手を付ける。

このレンズはバルサム切れを起こして曇っていた。

バルサム切れ

冷凍庫で冷やしてから熱湯に入れたりして接着を剥離させるところまでやっていた。
ところが貼合わせがなかなか上手くいかなかった。

剥がした合わせレンズ

初めはプレパラート用のカナダバルサムを使ってみたのだが、これは希釈しているタイプで何日放置しても固まらずレンズが動いてしまう。

清掃してそのまま3年近く放置していたのだが、今回はUV硬化樹脂を使うことにした。
100円ショップで手芸用のレジンとして売られているものだ。
レンズの芯出し用に小さいL型金具も用意した。

レジンとL金具

凹レンズを下にして一滴垂らし、そこに凸レンズを乗せて押し広げていく。
レジンが全体に行き渡ったらL型金具で両側から押さえて芯出し。そのまま動かさないように直射日光下に持っていく。
(レジン用のUVライトも試したが、直射日光の方が固まる感じがした)

上手く行ったと思ったが、時間が経つと一部が剥がれてしまった。
均等にレジンが行き渡らなかったのだろうか。

また冷凍→熱湯を繰り返して剥がした。
レジンは綺麗に剥離して、まるで大きなコンタクトレンズのようだ。

また剥離

いい方法は無いだろうかと色々探しているうちにライカのレンズ工房の動画を見つけた。
その中には貼合わせの様子も映されていた。

乗せたレンズを回転させながら気泡を押し出し、尚且つ接着剤を均等に行き渡らせるようにしているようだ。
このやり方を真似したら上手く接着出来た。

十分に固まったところで小端塗りをする。
(レンズの内面反射を抑えるためにレンズのコバを黒く塗る)

墨で塗るようなのだが100円ショップの墨は薄くて使えなかった。
代わりに筆ペンでいいやと塗ってみた。

小端塗り

上手く塗れてるようだが透かして見ると薄くて光が漏れる。
もう少し厚く塗れる塗料の方が良いみたい。
黒のマニキュアなんかいいかもしれない。

合わせレンズを組み付けたら、外してあった絞りユニットを付ける。

絞りの取り付け

絞りから伸びているレバーが絞り環の方に繋がるU字金具にリンクする構造だ。
絞りユニットは鏡筒に対して回転方向にフリーなので、絞り値と実際の絞りが一致するように調整して固定する。
この調整が最初は半段ほどズレていて、その後撮影した写真が露出過多気味になってしまい、もう一度バラすことになった。

絞りを固定したらレンズの前群を取り付ける。
そしてピントリングの取り付け、及び無限遠の調整。

無限遠の調整

これは難儀するかなと思っていたが、案外簡単に出来た。
ピントリングは中筒に3本のネジで固定されている。
適当に仮固定してカメラに取り付け。
少しオーバーインフになるように回してから、遠方の景色にピントが合うように戻す。
ライブビューで拡大表示させると一層合わせやすい。

無限遠にピントが合ったらネジを緩めてピントリングを"∞"の位置(ストッパーに当たる)に合わせる。
そしてネジ3本を均等に締め付ける。確認してOKなら終了。

最後にフィルター枠と銘鈑を取り付けてメンテ終了だ。


続いてK50mmの方をバラす。

手元に来た時は、こんなカビ玉だった。

カビ玉

手順はM50mmとほぼ同じ。どんどんバラしていく。

文

カビは前群の一番後ろ、絞りの前のレンズ面に生えていた。
中性洗剤とアルコールを併用して清掃する。

次に黄変したレンズの漂白。
トリウムレンズは6群7枚のうち後ろから2枚目と云うことだが、その前後のレンズも黄変している。

レンズの黄変

上が7枚目、下がトリウムレンズの6枚目。
これと鏡筒に残した4,5枚目も黄変している。

先に入手したTakumar 55mm 1:1.8は該当レンズだけが黄変していた。
K50mm 1:1.4はそれよりも線量が高いので他のレンズにも影響を及ぼすのだろうか。
(Takumar 50mm 1:1.4も同じ傾向のようだ)

前回と同じようにビニール袋に入れて直射日光下へさらす。
今回は3日間置いておいた。

日光浴後

結果。
まぁまぁ色落ちしたがまだ残っている感じ。
レンズホルダーに入ったままの7枚目と、鏡筒ごと陽に当てた4,5枚目は色落ちが悪いようだ。
とりあえず今回はこれで組んでしまおう。

このレンズはまだ問題があって、ひとつはバルサム切れ。

K50mmのバルサム切れ

M50mmほどは酷くないが、うろこ雲状の曇りが広がっている。
裏からLEDで照らさないと見えない程度だが。
気になるようなら後で貼り直しすればいいか。

またカビの生えていたレンズ面には、コーティング劣化と思われる薄い曇りが残ってしまった。
これはアルコールでも中性洗剤でも落ちなかった。
この様な事例は結構あるみたいで、研磨剤を使って磨く人もいるようだ。

自分はそこまでの準備はないので今回はこれで終了。
見た目はまぁまぁキレイになった。

     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

それでは試写にいこう。
もう1本持っている50mm、A50mm 1:1.4も加えて3本で撮り比べる。
M50mmは先に書いた理由で絞ったときに半段ほど明るめになっている。

 ※この後の画像はすべてクリックで拡大します。

初めに絞って遠景から。

無限遠でF5.6に絞って撮影。
露出はマニュアルモードにてグリーンボタンで絞込み測光。
背景の林に引っ張られて半段ほど明るくなってしまった。
また、左下に白く被っているのは撮影場所にあった手すり。

A50mm遠景
K-5 + A50mm 1:1.4   F5.6 1/125 ISO100
 

M50mm遠景
K-5 + M50mm 1:1.4   F5.6 1/125 ISO100
 

K50mm遠景
K-5 + K50mm 1:1.4   F5.6 1/125 ISO100
 
露出の違いはあるけれど、それ以外はあまり違いが感じられない。
Kレンズは黄変の影響でやや黄色がかっているかな…?
解像はどれも隅々までしっかり写っている。

写りには関係ないが、Aレンズは微妙に画角が違うのに気付いた。
Mレンズが50mmとして画像から計算すると、51mmの画角になるのが判った。

今までA50mmはM50mmをAE化しただけのものだと思っていたが、光学設計も変えているようだ。
また、三つのレンズを並べてみると、同じsmcコーティングだが後の年代になるにつれ変わってきているのが判る。絞り羽根の重ね方がM50mmだけ逆なのも面白い。


続いて絞り開放でボケ具合を見る。
中央の花にライブビューでピントを合わせて撮影。
シャッター速度は同じにして露出は合わせてある。

A50mm開放
K-5 + A50mm 1:1.4   F1.4 1/1000 ISO100
 

M50mm開放
K-5 + M50mm 1:1.4   F1.4 1/1000 ISO100
 

K50mm開放
K-5 + K50mm 1:1.4   F1.4 1/1000 ISO100

これまた同じような感じで、重箱の隅をつつくような違いしかない。
Aレンズが画角の関係からか少しボケが柔らかい感じがする。
Kレンズは黄変の影響で透過率が低いのか少し暗めになった。
Kレンズの黄色味を修正すればカラーバランスは完全に一致しそう。

 
次は近接で撮影。
60cm程の距離から花のめしべにピントを合わせた。
ファインダーで合わせたからか、Aレンズは少し手前にピントが来てしまった。
絞りはF2.8まで絞る。

A50mm近接
K-5 + A50mm 1:1.4   F2.8 1/2000 ISO100
 

M50mm近接
K-5 + M50mm 1:1.4   F2.8 1/2000 ISO100
 

K50mm近接
K-5 + K50mm 1:1.4   F2.8 1/2000 ISO100

これまた甲乙つけがたい感じ。
Kレンズの黄色味も、これはこれで悪くないかも。

     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

Super-Takumarの時代から50年以上に渡って作り続けられている50mm 1:1.4。
現在のFA50mm F1.4も同じ6群7枚のレンズ構成であり、また最短撮影距離や絞り羽根の枚数なども共通する。
察するに基本性能が高かったので、小改良を繰り返して現在まで続いているのだろう。

逆に言えばオールドレンズでも現在に通用する性能であり、それが数千円で入手できるのは実にありがたい。
むしろ最近は手を入れて復活する過程が楽しかったり…

PENTAXもフルサイズの一眼が発売されたことで、50mmが標準レンズとして今まで以上に注目を集めそうな感じがする。

実は冬の間に入手したレンズもあるので、その紹介はまたのちほど。

 
 ~後日談~

K50mmの貼合わせ玉を取り出してみた。
やはり鏡筒に入れたままだと上手く紫外線が届かなかったようでかなり黄色い。
バルサム貼り直しのため剥がしてみると・・・・

色違い

黄変しているのは5枚目の凸レンズだけで4枚目の凹レンズは無色だった。
トリウムレンズは6枚目なので隣り合ったレンズだけ影響を受けるのか。
それともガラスの材質も影響するのか、面白い現象だと思った。

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15-16シーズン 滑り納め

 5月2日 晴れ時々曇り

丸沼が前日の5月1日で終了したためかぐらへ。

みつまたに昨年設置されたピスラボが、この融雪の時期に下山ルートとして利用されるのだが、泥が出てきてしまって評判が良くないので田代からアプローチすることにした。

8時前に田代ステーションに到着。駐車場の入りは1/3ほど。
ただ後から次々に車が入ってくる。

支度を整えて2番目のロープウェイに乗った。

ロープウェイを降りて見えたのは、雪の消えたゲレンデに細々と残る糸のようなコース。

糸のようなコース

例年、GWはまだ一面雪が有るのだが・・・・

狭いロープウェイからの迂回路を降りて最初のリフトへ。
そしてかぐらを目指して先を急ぐ。
コース幅の半分も雪が付いていないが、これはまだほんの序章だった。

かぐらへ向かう

田代の最も奥の第8リフト乗り場に着くが、まだ準備中で動く気配がない。
動くのは9時半からというので、1本戻って滑ってくる。

時間を見計らって行くと、乗り場には長い列が出来ていた。

リフト待ち

ようやくかぐら連絡コースへ。
ここは長い緩斜面で途中で止まってしまうのが心配だったが、それよりもコース幅の方が問題だった。
2m幅位の廊下で1人ずつ間隔を開けて滑らないとコースアウトしそうだ。

狭いかぐら連絡コース

実はこの連絡コースが使えるのは本日までと案内されていた。
確かにこれでは厳しそうだ。

10時になってようやくかぐらにたどり着いた。
時間的にはみつまたから上がった方が早かったか。

かぐら到着

ゲレンデはテクニカルはずいぶん前に、ジャイアントは前日にクローズとなり滑れるのはメインゲレンデのみ。
一見広いが随所に雪の薄い所があり、気を付けないと土の上を滑ることになる。

メインゲレンデ

一応平日なのだが、人は多かった。
リフトも高速リフトと並行するペアリフトが故障で動いておらず、今年一番の待ち時間を経験する。大体10分待ち位だったろうか。

人が多い

とりあえず平らな場所はほぼ無いのでコブを中心に滑る。
春のかぐらはいつもそうだが、時間が経つにつれて全面コブとなってくる。

全面コブ

コブよりも荒地で足が終わった感じとなり、12時に田代方面に戻ることにする。
リフト券が13時までの午前券なので早めに戻らないと時間切れとなってしまう。

そうして踏み入れた田代連絡コースは最も厳しい状況だった。
初めからコース端にわずかに残る雪だったがそれも切れて板を外して歩くことになった。

雪が切れて歩く

悪いことは重なるもので、この日みつまたロープウェイが昼前に故障していた。
みつまたから上がった人も田代方面に降りてくれと案内されていた。
気の毒に・・・・
(ロープウェイはその後、14:20に復旧)

田代ロープウェイ直下まで戻ったのが12:20。
少し時間があるので、そこのレストハウスでサクッと昼食をとる。
そして13時ちょうどのロープウェイで車に戻った。

 本日の滑走 3466m/14本

雪の少なさを見て今シーズンは終了することにした。
本当に今年は雪の少ない年だった。
そのせいか滑走日数もこの20数年で最も少ないシーズンとなった。

そういえばパウダー滑る機会もなかったなぁ。
来年はしっかりと雪が降りますように・・・・

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