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連休の道楽 ② 【レンズ追加 ~その18~ 標準レンズ】

 前回のつづき…

EBC FUJINON

昨夏にリサイクルショップのジャンク箱から漁ってきたレンズがあった。
カメラとセットで1000円の値札が付いていた。
カメラはともかくレンズは使えそうなので引き取ってきた。

それがこちら。

FUJICA ST801

FUJICA ST801 + EBC FUJINON 55mm 1:1.8

このST801というカメラ、発売当時(1972年)は他社の上級機に負けない性能を、手に入れやすい価格で実現した隠れた名機と言われているようだ(参照:マップカメラの記事

そのカメラの方はシャッターは切れるものの、モルトはボロボロで故障もある。
なのでレンズの方をおいしく頂くことにした。

EBC FUJINON 55mm 1:1.8

絞り環の数値がカラフルで楽しい。
EBCとは「Electron Beam Coating」の略称で、PENTAXのsmcコーティングを凌ぐ11層ものコーティングがされているそうだ。

レンズ構成は4群6枚の対象型のダブルガウスタイプ。
これは初期のプラナーと同じ構成だ。

買ってきたときにはヘリコイドはスムーズだったものの、絞りは開放のまま動かず。
またレンズにはカビがびっしりと生えていた。

と言う訳でメンテナンス開始。
後群レンズはカニ目レンチで回すとレンズユニットが外れる。
さらにそのユニットのカニ目リングを外すと後玉が外れる。

カビていたのはここのレンズ。
中性洗剤を垂らして指で洗い、アルコールで拭いて仕上げる。

前群レンズを外すには、まずフィルター枠を外す。
ところが銘版をゴムで回しても一向に外れる気配がない。

もしかしてと思ってピントリングを最短位置に回すと芋ネジが現われた。
これはRIKENONと同じタイプだ。

フィルター枠の固定ネジ

円周上に3本で止まっているネジを緩めてフィルター枠を捻じると緩めることが出来た。
あとはカニ目レンチで前群のレンズを外して清掃。

外したレンズを並べてみるとこんな感じ。
左より6枚目(後玉)、4・5枚目(貼合わせ)、2・3枚目(貼合わせ)、1枚目(前玉)。

バラしたレンズ

幸いなことに貼合わせレンズのバルサム切れは無くクリアだった。
ただ後玉のカビは残念ながらコーティングまで浸食していた
いくら洗ってもカビの跡が消えずに残ってしまった。

(下の画像ではどうしようもなく汚く見えるが、裏からLEDライトで照らしているからで、組み込んでしまえば意外とキレイに見える)

黴跡

さて、がらんどうになった鏡筒を見ると絞りユニットが見える。
マウント側には絞りのリンク機構があるのだが、弄っているうちに絞り羽根が出てきた。

油でべっとり濡れている。これじゃ動かないわけだ。
調べてみると、このレンズは同じような症状の出ている個体が多いようだ。

拭いてどうこうなるものじゃないので外して洗うことにする。
絞りユニットは前面からCリングで固定されている。
このCリングをドライバーなどで外すと絞りユニットは前に抜き出せる。
(画像は再清掃時のものなので、絞りの油は除去してある)

絞りユニットを外す

外した絞りユニットは、パーツクリーナーを吹いたりアルコールに浸け置き洗いしたりを繰り返し、ようやくスムーズに動くようになった。
羽根の間に入り込んだ油はなかなかしつこくて、何度も洗い→乾燥を繰り返した。

絞りは動くようになったが、まだそのままでは使えない。

このレンズ、M42マウントなのだが開放測光を実現するためのギミックが施されている。
絞りリングにマウント面より突き出た"ツメ"が付いており、それによってカメラに絞り値を伝達するようになっている。

FUJICAに付けるのならば大きなメリットなのだが、デジタル一眼で使おうと思うとそれが仇となる。
ツメがマウントに干渉して最後までレンズをねじ込めないのだ。
当然無限遠は出なくなり、そのうえ絞り環も固定されて動かなくなってしまう。

オリジナルを崩すのは忍びないのだが、ツメを削ってマウントに干渉しないようにした。

もうひとつ。
M42のレンズは絞りの"AUTO"と"MANUAL"を切り替えられるモノが多い。
ところが、このレンズは先の機構によりオートのみでマニュアルモードが無い。
ピン押しタイプではないマウントアダプターでは、絞り開放でしか撮影できなくなる。

絞りを使うためには、絞り込みピンをどうにかして押したままにすれば良い。
どうやるか色々考えてみたが、結局一番簡単な瞬間接着剤でピンを固定してしまった。

絞り込みピンを固定

これで通常のM42マウントレンズとして使えるようになった。

 
同じ焦点距離、同じ明るさのSuper-Takumar 1:1.8/55mmと比較してみる。

FUJINON vs TAKUMAR

さすがにモノコートのTakmarより反射は少ない。
年代がTakumarより10年位新しいのでその分の進歩が伺える。
でも同時期のSMCと比べたらどうかな。

鏡筒比較

鏡筒はFUJINONの方が一回り大きい。
ローレットや銘鈑もゴムや樹脂にとって代わっている。

     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

それでは実写。

60cmほどの位置の被写体を絞りを変えて撮影し写りの違いを見る。
カメラは三脚で固定。絞りとSSは両者同じに合わせてある。
(クリックで拡大します。画像が大きいので注意)

 【EBC FUJINON 55mm 1:1.8】   【Super-Takumar 1:1.8/55mm】

EBC FUJINON 55mm 1:1.8Super-Takumar 1:1.8/55mm
 

前ボケはFUJINONの方が綺麗な感じがする。
絞り込んでいった時の解像はFUJINONの方が若干上か。
とはいえTakumarが悪いという訳ではない。
比べてみればわずかな違いが有るだけで、一方だけ見たらどちらがどのレンズか判らないと思う。

以前、135mmを比べた時はそこそこ違いが見えたのだが、50mm・55mmの標準レンズはみんな本当に優秀で区別が付きにくい。

 
最後に前回の50mm比較と同じロケーションで撮影したものなど。

FUJINON遠景
K-5 +EBC FUJINON 55mm 1:1.8   F5.6 1/125 ISO100

 

FUJINON 55mm 開放
K-5 + EBC FUJINON 55mm 1:1.8   F1.8 1/500 ISO100

 
M42マウントのレンズ、実はまだ有ったりするんだな・・・・
安いからつい手を出してしまう。
それらはまた別の機会に…

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